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~鬼神~第8暴走

第8暴走~四:変異のワケ~


病室から抜け出した後はもう何処にも見当たらなかった・・

翔希はその時ずっと橋の下でじっとしていた・・

その時、ある話声が聞えた・・

『なぁ、あの事故はやべぇよな・・』

『知るかよ、あれ盗んだ車だし、先輩が市山を殺せって言ったんだから。』

『でもよぉ、アイツだけ殺しゃぁ良かったじゃねぇか。一緒にいた女殺す事は無かっただろ?』

『俺は不器用なの、そんな上手い運転できるかよ。』

なんと、あの事件の事の話だった。

翔希はその話を耳にして、我を忘れその男達の前へと堂々と出る。

「うわ!?市山!?何で生きてやがる!?」

「お前等・・それは・・本当の話なんだろうな・・?」

彼は物凄い目付きで彼等を睨む―

「あ・・あぁ!俺は嘘は付きたくねぇ。全て本当だ。」

「お前等のせいで・・雪は・・」

「あ、やっぱあの女死んだか。」

その男の一言・・コレが翔希の心を全て壊し、『市山翔希』と言う1つの存在を終わらせた一言だった。


――――――


その橋には、無残で痛々しい2人の男が倒れていた・・勿論、コレをやったのは翔希―

翔希は2人を半分までボコボコにした後、それを仕組んだ先輩の話を聞いた。

―名前は”栗原 菊人(くりはら きくひと)”と言う男が主犯格だという。

翔希はその男を許すわけにはいかなく、栗原の下へと道を歩みだした。


町外れにある廃墟ビル・・そこには三丘学園の不良達が入って行くのが翔希の目に映る。

(・・ココか・・!)

彼は一足一足ゆっくりと前に進ませた。


「栗原さん、あの三島と七瀬がボコボコにされたらしいですよ。」

一人の男が言う。すると、図体のデカイ男が言葉を返す。その男が栗原だ。

「ほぉ・・あの2人がな・・って事は・・市山か。あいつ等殺し損ねたな。」

「まだ市山とは分からないですよ。」

「いいや、俺にはわかる・・もしかしたらもう、このビルに来てるかもな・・」

彼はニヤッと笑う・・すると、ビルの1階から多数の叫び声が聞こえ出した。

「ほぅら・・来た・・ふははははは!」

栗原は立ち上がった。自ら翔希の元へと出て行った。


「市山ぁぁ!!」

「!?」

翔希は自分を呼ぶ声を耳にした。

「俺が、栗原だぁ・・!」

彼は翔希の苛立ちをもっと高める為にわざわざムカつかせる態度、口調で言う

「てめぇか・・栗原ぁ!!」

翔希は栗原の下へ一直線だった!栗原の周りに居た部下は翔希を停めようとするが、怒りに身を任せた翔希には全く

歯が立たない。簡単に、一発で熨されて行く!

「そうだ!そう来なくっちゃ!」

栗原も翔希に迎え撃ち、真っ向勝負となる!

「栗原ぁぁ!!」

翔希の強烈な右パンチが栗原の腹に直撃!!

「ッグ・・!、やるじゃねぇ・・か!」

栗原は少しダメージを受けたモノの、殆どノーダメージだ!

すると、翔希の右頬に栗原の重いパンチが入る!

「うぐッ・・・」

翔希は堪らなく地面に倒れ込む。

「は・・はははは!そんなものか!市山ぁ!!」

「・・・スゥッ・・・・」

翔希は立ち上がると同時に息をゆっくり吸い始めた・・

「は?何してやがる?」

栗原は構える。

「・・ハァァーッ・・」

翔希は息をゆっくり吐き出す・・どうやら気を落ち着かせる為に深呼吸をしている様だ・・

「てめぇ、笑わせてくれんじゃねぇか!」

栗原は躊躇なく思いっ切り右ストレートを放つ!

しかし!翔希は身体を捻りながら見事にかわした!

「な!?、まだまだだ!!」

栗原は怒涛のパンチのラッシュを市山に注ぐ!しかし、一回も当りもしない!

「クソッ!どう言う事だ!?」

「・・お前の攻撃は大雑把だ。」

翔希はパンチをかわしながら反撃をする。相手の攻撃の合間を縫って一発・・また一発と重いパンチを加える。

「グ・・貴様ァ・・何故当らない!?」

栗原が翔希に問いかける。

「お前に・・答える義理は・・無い!」

今度は翔希の右ストレートが栗原の顔面にクリーンヒットする!

「うぉ・・ぐわァ!?」

思いっ切り地面に後頭部を強打!

「ッ・・!!!!」

「・・・終わりだ・・!」

翔希は留めの強烈なパンチを栗原の顔面のど真ん中に入れ込んだ。


この喧嘩は翔希の完全・・とは行かないが勝利であった――


それから日が流れ・・翔希はこう言われる―

―その男、表情を歪め、怒りに任せ拳を振るい、その拳には数多の人々の血液で赤く染まる―


第9暴走へ続く。


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